クリスタルボウルは「マレット」という棒状のバチで外周をこすったり、叩いたりして演奏します。マレットはボウルと奏者をつなぐ唯一の接点。とても重要なものです。
私もこれまで、いろんなメーカーのマレットを試してきて、現在はクリスタルバイブス社のプレミアムスウェードマレットが一番お気に入りです。重量とサイズのバランスがちょうどよく、優しい演奏にもパワフルな演奏にも使いやすいマレットです。
ほかにも、ゴムのアタマが付いた「ゴムマレット」というものがあります。これは「こする」専門のマレットのような感じで、スウェードマレットよりもこすったときの音を出しやすくなっています。サイズが小さなボウルなど、いくらこすっても音が出ないものでもゴムマレットを使うと改善することがあります。
叩く演奏に使用すると「カツンっ」という痛い音になりやすいので向いていません。
スウェードマレットとゴムマレットそれぞれのポイントをまとめてみます。
スウェードマレット
- 棒状でスウェードが巻き付けられている。中心部がチクワのように空洞なので、叩いたときの音が柔らかい
- 長く使用しているとスウェードが劣化してしまい、こすったときにボウルの表面でマレットが滑るようになり、音が出しづらいことがある
- ボウルの表面がザラザラしている場合、「スリスリスリ・・・」という音(通称:スリスリ音)が発生しやすい
ゴムマレット
- 木の持ち手の先にゴムの丸いヘッドが取り付けられている。ゴムの滑りにくい特性を活かして、こする演奏で簡単に長い音を出すことができる
- 中心部が木で作られているので、叩いたときの音が固い
- 劣化せずに長く使用できる
どちらにもメリット・デメリットがある感じですね。演奏中に複数のマレットを使い分けることもよくあります。
コーティングマレット登場
スウェードマレットとゴムマレットのメリットを合体させたのが、クリスタルトーンズ社のコーティングマレット。
※正式名称が不明なので、勝手に「コーティングマレット」と呼んでいます
スウェードマレットの半分をゴムでコーティングしたものです。こするときにはゴム側、叩くときにはスウェード側と、上下をくるくる持ち替えることで両方のメリットを活用することができます(ゴム側で叩くと固い音になりやすかったので、こする専門にした方がよさそうです)。
コーティングマレットとスウェードマレットを比較してみました。長さはほぼ同一です。コーティングマレットは下半分くらいがゴムでコーティングされています。
演奏に大きく影響するマレットの重量を量ってみました。スウェードマレットは71g。
コーティングマレットは113.5g。持った感じもかなり違います。重いので、叩く演奏のときには注意が必要です。
太さはコーティングマレットの方がわずかに太いです。
CRYSTAL TONES社の刻印入り。
コーティングにはムラがあり、気泡が入ったような状態の箇所もあります。気泡があっても演奏には支障なかったですが、見た目が美しくないのは残念なところ。ここらへんはアメリカ品質ですかね・・・。
気泡のほかにも、汚れたような状態になっているものもありました。いずれも新品です。
私はこする演奏と叩く演奏をものすごく細かく使い分けているため、上下をくるくる持ち替えることがどこまで上手にできるか・・・これからしっかり練習してみます。
コーティングマレットは昨日訪問した、熱海のくりすたり庵にて購入しました。くりすたり庵のサイトにも、アメリカのクリスタルトーンズ社のサイトにもまだ掲載されていないようです。
思わず4本も購入してしまったので、「私も欲しい!」という方がおりましたらお裾分けします(2本まで)。明日からの大阪にも持っていきます。
いろいろな奏者の方とお会いさせていただくのは、本当に勉強になります。くりすたり庵の牧野さんであれば、クリスタルトーンズ社の正規代理店なので見たことのない商品にたくさん触れられます。
クリスタルボウルの世界はまだ始まったばかり。どんどん進化・拡大しています。
たくさんのことをみんなで追求しながら、よりよい未来を模索できればと思います。