ギャラの支払いでモメないために!クリスタルボウル演奏者向けのお金の話

クリスタルボウルの活動を続けて、いろいろなところから演奏を依頼されるようになると・・・ギャラの支払いを巡ってトラブルになることがあるかもしれません。

イベントが終わった後もお互い気持ちよく、トラブルを未然に防ぐためのポイントをご紹介します。

請求書を必ず発行しましょう

メールや会話で「謝礼は○○円」というやり取りが行われたら、必ずその金額で「請求書」を作って、相手に渡しましょう(送信しましょう)。

請求書を渡すなんて失礼!怖い!と思われるかもですが、明文化しておくのはとても大事なことです。

その際に「年末調整で必要なので請求書を出させてください」というような言い訳をしておけば、相手もイヤな顔をしないはず(それでもイヤな顔をする相手はハナっからギャラを払う気がないと思います)。

インターネット上で無料で請求書が作れるサービスが便利です。私も使っています。

【外部サイト】請求書作成サービス「Misoca(ミソカ)」

見よう見まねでもよいので、金額を(メールや会話とは違う別のものへ)書いておくことが大切です。

請求書を発行して受け取っているのに正しく支払ってこないような相手とは、さっさと縁を切りましょう。

交通費や経費が含まれているか確認しましょう

謝礼の金額の中に、会場までの交通費が含まれているのかも大切な確認ポイントです。事前に会場までの交通費を調べて、「○○円かかるけど、交通費は別途いただけますか?」と、聞いておきましょう。交通費が含まれているのなら、請求書の金額の内訳にカッコ書きで「交通費含む」と書いておけば双方安心です。

また、交通費以外の経費が発生することが予想される場合も、必ず確認しておきましょう。

消費税や源泉徴収税について確認しましょう

まず、すべての支払いには8%の消費税が発生します。「謝礼は1万円」と言われたときには、それが消費税込みなのか、消費税抜きなのかの確認が必要です。「消費税抜き」であれば、受け取るのは8%分を追加した10,800円になります。自分が消費税を受け取るのは不思議な感じもするけれど、そういうものです。

 

また、クリスタルボウルの演奏は、所得税法 第204条第1項第5号の「映画、演劇その他芸能」に該当するため、あなたが個人で活動している場合は10.21%の源泉所得税が発生します。この金額は支払者側が「源泉徴収」します。

ややこしいですね。

「謝礼は1万円で消費税分も含む」と言われたときは、実際に受け取れるのは源泉所得税の10.21%をマイナスした8,979円になります。手取りで1万円欲しいときには、10,000円 ÷ 0.8979 = 11,137の、11,137円で請求書を発行しましょう。

「謝礼は1万円で消費税分は別途支払う」と言われたときは、実際に受け取れるのは源泉所得税の10.21%をマイナスした8,979円に消費税 8%(800円)を足した9,779円になります。

手取りで10,800円欲しいときには、消費税に源泉徴収税がかからないため、さらにややこしくなり・・・

10,000円 ÷ 0.9779 = 10,225円(税抜き価格)
10,225円 × 0.08 = 818円(消費税)

税抜き価格 + 消費税 = 11,043の、11,043円で請求書を発行しましょう。

「そんな話は聞いたことがない!」と驚かれるかもですが、それは支払者側が源泉所得税を負担してくれていたか、納付義務をチョロまかしていたかのどちらかです(支払者側が個人であっても源泉徴収の義務があります)。

源泉徴収された所得税分は、「年末調整」で返ってくる可能性があるので、きちんと「支払調書」を受け取っておきましょう。

※私は支払者に源泉徴収のややこしいことをお願いするのがイヤで、自分の会社を設立しました。法人への支払いなら源泉徴収はありません。

このようにややこしいのです

なんだか話が長くなってきたのでまとめます。ギャラでトラブルにならないために大切なのは・・・

  • 請求書を作って渡す
  • 交通費や経費が含まれているのかを確認しておく
  • 消費税が含まれているのかを確認しておく
  • 源泉徴収税額が含まれているのかを確認しておく(あなたが法人ではなく個人の場合)

まぁ・・・面倒くさいですよね。だけど、こういうことをきちんとやっておかないと、クリスタルボウル奏者の社会的地位は上がっていかないと思うのです。

たとえば、企業から演奏依頼を受けたときには「請求書を発行してもらえますか?」とか「源泉徴収の必要ってありますか?」と、必ず言われるはずです。そのときに「何ですかそれ?」という返答だと、「この奏者、きちんと税金を払ったことがないのかな・・・社会的に怪しい人だな・・・」と思われます。そういう相手だと、企業側はお金を支払うことができません。

そして、ここからは未来の話ですが、面倒くさいことをすべて請け負える「プロダクション」が作れないかなーと想像しています。

ギャラの交渉や税金のややこしいところをすべてそのプロダクションが行えば、奏者は演奏だけに集中できます。演奏の依頼を行ってくる側も、個人相手に源泉徴収をするより、プロダクションと契約をした方が簡単・安心です。芸能事務所みたいなイメージですね。

クリスタルボウル サウンド・バス スクール」などを通じて、信頼できる奏者とたくさんつながっていきたいなと思っています。よりよい未来を模索していきましょう。

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